YouTubeの収益化が停止されたときのショックは、言葉では言い表せないほど深いものでした。画面から消え去ったドルマークを見て、文字通り目の前が真っ暗になったのです。
なぜ、そこまでショックだったのか。 それは、私にとってYouTubeが、単なる「お小遣い稼ぎの副業の夢」を超えた、「人生の救い」そのものになっていたからでした。
会社でのモヤモヤも、家のゴタゴタも、すべてを吹き飛ばしてくれた場所
正直に言えば、会社での仕事は決して面白いことばかりではありません。家の中でも、色々なゴタゴタや悩みを抱えていました。
そんな日常の中で、YouTubeを開けば、私の作った動画を楽しみにしてくれている人がいる。数字が伸びていく。視聴回数が上がり、チャンネル登録者が増えていく。 その事実だけで、「自分の人生、これで大丈夫だ」と思えるような、絶対的な安心感と、今までにない大きな自信をもらうことができたのです。
収益化できたとはいえ、金額にすればまだ「副業」と言えるほど大きなものではありません。 それでも、この活動は私の意識をガラリと変えてくれました。
それまでは、ただ指示を待って働く「1人のサラリーマン」に過ぎなかった私が、自分のチャンネルという組織の「1人の起業家」として、目の前の問題に必死に取り組み始めたのです。 毎日、パソコンに向かっている時間だけでなく、それ以外の時間も、歩いているときも「次は何を作ろうか」と考えを巡らせる。夢中になって図書館に通い詰め、本を読み漁る――。何かにここまで魂を燃やし、夢中になったのは、人生で初めての経験でした。
この副業活動を通して、私は初めて「自分主体の人生」を生きているという実感を味わうことができました。自分のやりたい方向へ、自分の手でクリエイティブな仕事を作っていく。その楽しさを知ってしまったからこそ、収益化停止の宣告は、本当に身が引き裂かれるほど辛いものだったのです。
すべての原動力は「正社員に落ちた悔しさ」だった
しかし、ここで時計の針を少し巻き戻して、私がそもそもなぜ、このYouTube(副業)を始めたのかをお話しさせてください。
実は、私が副業に足を踏み入れたきっかけは、会社での「正社員登用試験に落ちたこと」でした。
あのときの悔しさは、今でも忘れません。 「絶対にこの環境を変えてやる! 見返してやる!」 そんな怒りにも似た強い悔しさから、私は色々な転職エージェントに登録し、必死に仕事を探し始めました。
しかし、現実は甘くありませんでした。40代後半という年齢での転職活動の大変さを、身を以て思い知らされることになります。 オンライン面接の際、Zoomのモニターに映し出された自分の顔を見たときの衝撃。そこに刻まれた年齢の現実を突きつけられ、私は大きな挫折感を味わいました。
「私には、もう何の価値もないのだろうか……」
そんな底知れぬ悔しさのエネルギーが、私のYouTubeの機動力になり、爆発的な起爆剤となって私を突き動かしたのです。まさか、あんなに早く収益化までたどり着けるなんて、始めた当初は夢にも思っていませんでした。ただただ、「悔しさ」だけが私を走らせていたのです。
動き出した運命。手に入れた「積極性」が起こした奇跡
そして、人生とは本当に不思議なものです。
YouTubeを通じて、「自分で考え、自分で行動し、自分の力で成果を出す」という経験を重ねていくうちに、私の中にこれまでなかった「圧倒的な積極性」が芽生え始めていました。
サラリーマン根性から抜け出し、起業家としてのマインドで物事を捉えられるようになった私の変化は、皮肉にも、あれだけ冷たかった会社側にも伝わっていったのです。
その結果、信じられない奇跡が起きました。
なんと、一度は落選したはずの「正社員登用」の受理と、YouTubeの「収益化達成」という二つの歓喜が、ほぼ同じタイミングで同時に私の元へ舞い込んできたのです。
(第6話へ続く)
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